歯ぎしりの原因と対策
無意識のうちに食いしばったり、歯をこすり合わせたりしてしまうなど、上下の歯が不必要に接触している状態を歯ぎしり(ブラキシズム)といいます。歯ぎしりは、睡眠の妨げになるだけでなく、歯や顎などに悪影響を与えます。
歯ぎしりの他にも、咬みしめ・食いしばりといった歯や顎に負担をかける口腔内の悪習癖があります。
これらは、歯周病や顎関節症のリスクを高めるだけでなく、肩こりや頭痛などの原因にもなるため、適切な対処が必要になります。
ブラキシズムは、主に次の3つに分類されます。
♢グライティング…上下の歯をギリギリと擦り合わせる習慣のことです
♢クレンチング…上下の歯を強く噛み合わせる習癖のことです。食いしばり・咬みしめはこれに該当します
♢タッピング…上下の歯をカチカチと咬み合わせる習慣のことを言います
グランディングやタッピングは、音がするので家族に指摘されることもありますが、クレンチングは音がしないので気付きにくく、発見が遅れやすいです。
ブラキシズムが起きるのは、眠っている時や、何かに夢中になっている時が多いと言われています。
そのため、本人は気付きにくいという特徴があります。人間の噛む力は40〜60Kgで、自分の体重ほどあり、食事の際は、その1/2〜1/4程度の力で自然と加減しながら噛んでいます。
ところが、睡眠中や、何かに夢中になっている時のブラキシズムは、加減なく噛みこむことがあります。
<そもそも歯ぎしりはなぜ起こる?>
歯ぎしりの原因は明確になっていませんが、ストレスや歯並びの乱れ、咬み合わせ不良などが原因と考えられています。
肉体的、精神的なストレスがたまると、歯ぎしりをすることによって発散していると言われています。
<歯ぎしりによる悪影響>
♢歯ぎしりが歯周病に及ぼす影響
歯ぎしり自体は歯周病の直接の原因とはなりません。歯周病の直接的な原因はプラークですが、すでに歯周病を発症している場合は、歯ぎしりによって歯周病の進行が加速することがわかっています。
♢歯ぎしりが顎関節症に及ぼす影響
歯ぎしりをするときに上下の歯にかかる力は、通常の食事の際の力に比べて非常に強いため、顎関節にかかる負担が大きくなります。これが、顎関節症の原因になることがあります。
<治療と予防>
睡眠中の歯ぎしりには、夜間装着用のマウスピースを装着する方法が一般的です。
歯や顎にかかる圧力を減らして、歯のすり減りを食い止めて、詰め物が取れるリスクを減らすこともできます。
日中の食いしばり対策は、自分で気づくこと(認知すること)です。時々意識して、食いしばっていないか確認してみてください。既に歯をかみ合わせると痛い、冷たいものがしみる、顎が痛いといったような症状が出てしまっていると、一時的な回復はあるかもしれませんが、筋肉痛や骨折のように時間の経過とともに治るものでは無く、根本的な治療を行わなければ時間の経過とともに悪化するケースが多いです。症状が悪化する前に、たかはし歯科クリニックスタッフまでご相談ください。