骨粗しょう症と歯科治療に関係があるって、ご存知ですか?
骨粗しょう症は、ご存じの通り、骨の強さが低下して、骨折しやすい状態になることです。
骨強度は、骨量の指標となる「骨密度」と骨の構造 など「骨質」の2つの要因によって決まります。
骨粗しょう症は女性に起こりやすい病気で、女性ホルモンのエストロゲンが減少すると全身の骨密度が低下し、顎の骨の密度も低下します。
またエストロゲンの減少は歯周ポケットの中の免疫反応や炎症を起こす成分を過剰にし、歯肉の炎症を悪化させることも分かってきました。
閉経を迎えたら骨粗しょう症や歯周病の悪化に気をつける必要があります。
骨粗しょう症の原因には次のものがあげられます。
① 加齢
50代になると、腸から身体へのカルシウム吸収が衰えてきます。そうすると、骨を作るカルシウムが 不足します。骨の吸収と形成のバランスが崩れ、骨粗しょう症になってしまいます。
② 閉経、更年期障害
女性ホルモンに「エストロゲン」というものがあります。これは骨の吸収をゆるやかにする効果があります。 閉経するとこの「エストロゲン」のホルモン分泌が低下し、古い骨を溶かし新しい骨をつくるサイクルのバランスが崩れてしまうのです。
③ ダイエットでの障害
身体のカルシウムはその割合、約90%が骨にあります。そして残り数%は血液中にあります。ダイエットをすると、血中のカルシウム分 が不足します。すると骨のカルシウムが血液中に出てきます。骨を作るカルシウムが不足して、バランスが崩れてしまいます。
④ ほかの病気による骨粗しょう症
代表的なものは ○ パセドウ病などの甲状腺機能亢進症。 ○ 関節リウマチ・糖尿病。 ○ 胃切除後、ステロイド薬の長期服用などがあります。
<骨粗しょう症と診断されたら>
骨粗しょう症の治療中に、歯の治療を行うと、歯ぐきの腫れ、 あごの痛みなどが発生することがあります。
歯科治療は、骨粗しょう症の治療を始める前に済まされると良いので、内科の先生と相談しましょう。
また、定期的に歯科健診を受けて、日頃からお口の健康を保つことが重要です。定期的に歯科健診を受けましょう。 歯石をとってもらいお口の状態を整えることも大切です。
骨粗しょう症の治療中に抜歯などの治療が必要になった場合は、骨粗しょう症の主治医と、歯科医師に相談しましょう。
<骨粗しょう症の薬は歯科治療に影響します>
骨粗しょう症でよく使われる『BP製剤(ビスフォスフォネート製 剤)』というお薬は、骨を丈夫にする代わりに「新しい骨や歯ぐきなどを作る機能」を抑えてしまう働きもあります。
そのため、細菌に感染すると傷が治りにくくなり、抜歯などの処置をきっかけに最悪の場合、あごの骨が壊死してしまうことも。
<治療中にこんな症状があったら相談を>
☑ あごの痛み ☑ 歯のゆるみ ☑ 歯ぐきの腫れなど骨粗しょう症の治療と関連のない場合もありますが、まれに、あごの骨に異常がおきることがあります。
まれであり、必ず起こるものではありませんが、上記のような症状があらわれた場合は、次の受診日を待たずに、 医師や当院へご相談ください。
ご質問等もたかはし歯科クリニックスタッフまでお気軽にどうぞ。